小さな仕事が生む奇跡
広告会社「MINOWA」に勤める坂口部長の出張が決まった。
東京から大阪へ広告のプレゼンテーションに行くのだ。
3社競合。
決まれば億の金が動く案件。
坂口の部下の綾瀬は
新幹線の切符をとっておいてと頼まれた。
誰にでもできるとても簡単な仕事だ。
出張前日
綾瀬は発券された新幹線のチケットを
坂口に手渡しながらこう言った。
「明日は朝からとても天気が良いようです。
富士山が見える窓側の席を予約しました。
綺麗な富士山が見えたらプレゼンの縁起も
良いのかなぁ、なんて思いまして」
坂口は新幹線に乗り込み
綾瀬が予約した富士山側の窓側の席に座った。
少し眠くてうつらうつらし始めた頃
坂口は綾瀬の言葉を思い出し
窓の外に目を向けた。
雲ひとつかからない
とても綺麗な富士山が見えた。
黄金の陽の光が富士山に差し込むように
坂口の心にも差し込んだ。
坂口は綾瀬にすぐにメールを送った。
「お前の小さな思いやりが
大きなビジネスの成功を生むと確信したよ。
ありがとう。
プレゼン、必ず成功させる」
晴れやかな面持ちのままに大阪に到着。
坂口はプレゼンで自信に満ちた口調で話し
クライアントの高橋CEOの心を鷲掴みにした。
画してプレゼンに成功。
広告会社「MINOWA」は
ビッグビジネスを掴みとった。
これが「仕事」というものです。
仕事に一番必要なものは「愛」だと
恥も外聞もなく俺が言うのはこうゆうことです。
つくづく思うんです。
仕事は小さいことの愛の積み重ねで成り立ってる
時にはその小さいことが
奇跡を生み出すこともある、って。
社長も社員も
上司も部下も
発注者も下請けも
みんながこの思いを共有できたら
仕事の在り方も変わってくんだろうなぁ
って思うんですね。
どんなに小さな
一見誰にでもできそうな仕事でも
君にしか出来ない仕事のやり方が
きっとある。
そして時に
その仕事が奇跡を生みこともあるよ。
だから小さな誰にでもできる仕事こそ
丁寧に
大切に取り組もう。
と
自分に言い聞かせた
57歳の秋の始まりでした(^。^)